Heaven
抜け殻になっていく俺。美加の言葉に苛立ちを感じる。
俺が好きじゃなかったならそれでいい。
利用したならそれでいい。
そんなことで苛立っているのではない。
好きじゃないのに告白することに対して苛立っているのだ。
どうしてそんなことをする?
傷つく人はいるのに、
自分の気持ちに嘘ついて…なにが楽しい?
俺は唇をぎゅっと噛み締めて、潤う瞳で美加を凝視する…
ヒカルは言葉を失ったようだ。
『雅と付き合っても別に楽しいなんて思わなかったし。顔と性格が良かったから利用したの。あたしはずっとヒカルだけだった』
…もう聞きたくない。
好きだった美加から信じがたい言葉を聞いた俺は、もう立っていられなかった。
悲しくてじゃなくて、苦しくて。
顔を下に向けて、拳を握る。
すると教室から机のようなものが倒れる音がした。
うるさくて耳に響く音。俺は再び顔を上げる。
案の定、机が倒れていて、その机の中に入っていた物が散乱していた。