Heaven



きっとヒカルが蹴ったのだろう。
肩で呼吸をしていた。
ヒカルに驚いた美加は一歩後退りをして、肩を震わせている。


『お前…雅を何だと思ってんだ?雅はお前のおもちゃじゃねぇんだよ!!』


静かな教室に響くヒカルの罵声。
どうして…ヒカルは俺なんかのために怒ってくれるんだよ…

そう思うと涙が一粒零れた。


『…あたしはヒカルに近付きたかったから…ヒカルはあたしのことなんか気付いてくれないって思って…』



『気付いてくれないから人を利用していいのか?人の気持ち無視していいのか?!いいわけねぇだろうが!!雅はお前のこと好きだったんだぞ!?』



ヒカルは美加に近付き、胸ぐらを思い切り掴む。なにかを思い出す。
前の春と俺のようだ。

ヒカルは俺に対しての優しさを向けている。
もしかしたら春もヒカルと同じ思いだったのかな…



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