Heaven
見えた気がする。
俺とヒカルの間に、一本の絆が…。
ヒカルも見えたかな?
教室のドアを思い切り開けて教室を出ていくヒカル。
美加は硬直状態なままだった。
一度愛したのに、今は近寄って抱きしめてやることでさえ出来なかった。これは心の表れ。
もう美加のことを愛していないという証拠。
俺は美加から視線を逸らし、横を向いた。
もう一方のドア側に、
笑顔を見せるヒカルがいた。
急に締め付けられる心臓。
『ありがとう』って言わなくちゃ。
ヒカルは、俺のために美加の正体を見せてくれたのだから。
『あのさ…ヒカル…』
一歩、一歩…ヒカルに近寄る俺。
するとヒカルの手がすっと伸びて、俺の頭に軽く触れた。
『…帰るぞ。雅』
ヒカルの前では泣かないと決めていたのに…体は裏腹なことをした。
俺の瞳からは我慢出来なかった液体が流れる。
優しすぎだよ、ヒカル。