Heaven


今日は最高に良い日だ。美加の正体を気付けたことは良いこと。
恨んだりはしない。
だってもう忘れてるから。
美月が教えてくれた言葉。
『ひとつの恋が終わるときはその恋を忘れたときだ』

俺は美加との恋を忘れたのだ。
もう…次に進んでいる。


着々と家路へと進む俺達。
俺はずっと気になっていたことをヒカルに聞いた。
それは中学のときのこと。


『そう言えば、ヒカル、中学のときさくらに告白されたんだろ?何で断ったんだよ』



『…あの時から美加が俺に近寄ってきててさ、中途半端は嫌だったし、だから…』



だから『嫌いにならないで』と言ったのか。
これで話が分かった。
ヒカルはさくらのためを思ってこの言葉を言ったのだ。
やはりヒカルは優しい。

夜道の暗い中、俺は足元を確認して歩いていく。もうすぐ俺の家が着くころだ。



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