Heaven


『やっぱりヒカルは優しいな。周りの幸せを願えてさ。俺には出来ねぇよ』



『優しくねぇよ。
…ただ、自分が幸せになる前に幸せになって欲しい人が周りにいるんだよ』



『俺とか?』


俺は冗談半分にこう言うとヒカルは笑いながら『そうだよ』と言った。
その瞬間、少しだけ照れたことは秘密。

俺もヒカルのようになれたらな、と強く思った。周りの人に幸せになってもらいたい─…



足は家の前で止まる。
俺は門の前でヒカルと別れ、ヒカルの背中をずっと見ていた。



『ヒカル!!』


俺の呼び止めで、ヒカルは当然のように止まる。

『なに?』



『告白、成功するといいな!!きっとお前なら大丈夫だよ!!俺が保証する!』



ヒカルはいつも笑ってくれるよな。
冗談のときでも、真剣なときでも。
優しく包み込むようなヒカルの笑顔は、世界一格好いいと思うよ。


だからずっと笑っていろよ…


< 198 / 424 >

この作品をシェア

pagetop