Heaven


時が経つ度に、
美羽の表情が日に日に暗くなっていく。
見たらすぐ分かることだ。
理由もなんとなく分かる。
それは、美羽の嫌いな季節がやってくるからだろ?


俺は美羽の横顔をチラッと見て、すぐに視線をずらした。

ヒカルとさくらは、
先生の赤ちゃんの話で盛り上がっている。


『男の子かなぁ?女の子かなぁ?』


『さぁー?』


二人の会話が聞こえなくなっていく。
俺は下を向いて考え事をする。

誓ったのに…

陸を超える、と。
自信満々に春に言ったのに…
空に…宣戦布告をしたのに…


なにも出来てねぇじゃん。


自分の無力さに笑ってしまう。


こんなにも距離は近いのに、でも─…

心は遠い─…



キミの過去を知りたいんだ…

ただキミに近づきたいんだ─…



ねぇ…美羽?


聞いたら、教えてくれる…?



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