Heaven
ぼーっと、そのことばかり考えていた。
室内の時計の針が、小さな音を出して、ひとつ未来へと進んだ。
『おーい?雅?』
『え…は?なに?』
ヒカルが不思議そうな表情を見せて、俺の顔を覗く。
『なにぼーっとしてんの?』
辺りを見渡すと、教室には俺達以外誰もいなかった。
もうすでに朝のホームルームは終わっていた。
そして一番驚いたのはヒカルの格好だ。
『ヒカル!お前なんで裸になってんだよ!!』
ヒカルを指差して慌ててこう言う俺。
上半身が裸のヒカル。
無駄な脂肪などなく、筋肉美な体。
俺は何故か視線を逸らしてしまう。
『…はぁ?一時間目、体育だろ?』
ヒカルは笑いながら体操服に着替える。
冷静に考えればそうだ。今日の一時間目は体育だ。
だから誰もいないはずだ。
『…俺、休むわ』
『は?お前が体育休むとか珍しいじゃん。サッカーなのに?』