Heaven
なんかサッカーする気分じゃないんだよな。
どうしてだろ?
中学の頃のサッカー部のキャプテンが言うセリフじゃないよな。
俺は立ち上がり、
教室から出ていく。
ヒカルに『保健室に行く』とだけ告げて。
一人、ただ長い廊下を歩く。
教室のドアからは、先生の声が漏れている。
俺は下を向いて、歩く。ふと、窓から空を眺めた。
『いい天気だ…』
今日の天気は、
雲ひとつない快晴だ。
屋上から見たら最高なのだろう、きっと。
突然疼きだす心。
保健室へ向かっていた足は、違う場所へと進路を変える。
階段をひとつ、ひとつ上っていく。
久しぶりに屋上へ行くかもしれない。
いつから行ってないかな?と月日を遡っていく。
あれ以来だ。
美羽との距離を離したとき以来…
もうそんなにも経ったのか、と呟きながら、ドアノブに手を掛ける。
そしてゆっくりとドアを押す。