Heaven
隙間から差し込む太陽の光が眩しくて、俺は目を細くする。
ドアを開ききり、
一歩足を踏み入れる。
懐かしいと感じる場所。俺は周りを見渡して笑顔を零す。
貸切だと思ったのに、
もうすでに屋上には誰かがいた。
授業中なのに、なんでいるんだよ?
ま、俺も人のこと言えないが。
俺は一歩ずつその人に近づく。
その人はしゃがみこんで、何かを探しているようだった。
近づくたび、誰なのか分かってくる…
さらさらな髪の毛を、耳に掛けて、今にも泣きそうな顔をしているのは…キミしかいない…
『み、美羽…?』
顔を傾けて、俺を見つめるのは、やはり美羽だった。
久しぶりに来た場所で、久しぶりにキミと会った。
こんな偶然を世間は、
運命とよぶ─…
『なにしてるの?体育は?』
『…体育どころじゃないの。探しものしてるの』