Heaven
そして体育をやっている生徒たちを教室の窓から見ていた。
楽しそうにサッカーボールを追う生徒たち。
その中にヒカルの姿もある。
あの金髪はヒカルしかいない。
ふとグラウンドの外を見ると、さくらがヒカルにエールを送っていた。
そんな二人の微笑ましい姿を見た俺はふいに思う。
『幸せになってもいいんじゃない?』って。
いつ訪れてくれるのだろうか?
俺の幸せは。
そんなことをずっと考えていたら時間は勝手に過ぎていく。
体育の授業が終わった生徒たちが教室へ続々と入ってくる。
ノロケ話を興奮しながら話すヒカルを見て、俺は幸せそうに笑うのだ。
俺の幸せ?
もしかしたら、それは親友の幸せかもしれない。俺も幸せだと感じるから…
そして授業が続いていく。
やはり美羽を見れなくて。
なんていうか、気恥ずかしいというか…
雅と呼ばれて、まだ舞い上がっている俺がいるから。