Heaven


だって嬉しいし、恥ずかしいだろ?

それに、美羽はまだ俺のこと許していないかもしれないし…。


だから俺は美羽を見ることが出来ないでいた。
視界に写る、美羽の影だけで十分過ぎる…




…太陽は徐々に傾いていく。
あんなに高く昇った太陽も疲れてしまったのか、今では早く沈みたいと訴えいるようだ。
青空だった空も、
今ではオレンジ色が加わっている。

もう、夕方の時刻だ。


帰りのホームルームはやはり副担任。
今ようやく沢村先生に子供が産まれるということが嘘ではないと確信をした。


『連絡は特にないな。気をつけて帰れよー』


副担任が眠たそうに1日の最後を締めくくる。
その言葉をどれだけの生徒が聞いていただろうか?


席を立ち、続々と教室を出て行く生徒たち。
俺も帰ろうと思い、鞄を取ると、誰かに制服の袖を引っ張られた。


『ん?』


引っ張った犯人は、
隣の席の─…美羽だ。



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