Heaven


突然のことで頭が回らない。
俺は慌てて口を開く。


『え…あ、な…なに?』


『これ、読んで』


こう言って、一枚の紙を渡す美羽。
俺はそれを受け取り、不思議そうに見つめる。
俺が受け取ったのを確認すると美羽は足早に教室から去って行った。



『なんだ?』


まだ、手が震えている。俺は震える手で、4つに折られた小さな手紙を開いていく。
そこには達筆な字でこう書かれていた。


《今日の5時、あの公園で待ってる。 美羽》


その手紙に書かれていた文字を疑う俺。
まさか、美羽がこんなことを言うなんて…
そんな、ね?

ありえねぇだろ?


時計を見るとまだ4時だ。
約束の時間まで、あと一時間─…

本当か?
嘘か?

今の俺は美羽を信じたい。
嘘でもいい。


美羽を、信じているから…


時計の針がまた…
ひとつ未来へ進む─…



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