Heaven
次第に笑みが零れる。
春の声を聞くのは久しぶりだからだ。
連絡先を渡したのだが、一度も連絡は来なかった。
心配をしていたし…
それに、沢山話したいことがあった。
俺は校門に向かいながら、春との会話に耳を傾ける。
『春、久しぶりだな!どうした?なんかあったか?』
《雅…連絡しなくてごめん。連絡したかったけど…お前が怒ってると思ったからさ…なかなか出来なかった》
『全然いいよ!気にしてねぇし!』
公園に行くため、地元とは逆の道をいく。
夕日に向かって歩き出す─…。
《あのさ、雅?美羽に写真…あげたか?》
その言葉に俺は『何故知っているのだろう?』と思ったがすぐその答えは出た。
美羽は春と親友だから、聞いたのだろう。
だったら今さら隠す必要もない。
『あ、うん。あげたけど?』
《…ありがとな。あいつすげぇ喜んでた。…久しぶり見たんだ…美羽のあんな笑顔…》