Heaven
美羽は喜んでくれたんだ…
爺ちゃんが撮った写真を。
やっぱり爺ちゃんには凄い力があるようだ。
美羽を、惹きつけたのだから…
『そっか!良かった!!美羽が喜んでくれたなら俺もすげぇ嬉しい!!』
俺の興奮が、車の音でかき消される。
春に聞こえたかな?
すると春はいきなり黙ってしまう。
そして電話の向こう側から…
啜り泣くような声が聞こえてくる…
《雅…頼む─…美羽を。お前なら出来るかもしれない…》
突然、泣きながらこう言う春に俺は少なからず戸惑ってしまう。
…美羽を─…頼む…
『どういうこと?』
《俺さ、雅に美羽は守れないとか言ったけど…なかったことにしてくれ…雅─…美羽を助けてくれ…あいつを…あいつを…》
春の言葉を噛み締める俺。
美羽を大切にしているのが痛いくらい分かる。
《美羽を、暗闇から救ってくれ─…》
…救うよ、任せて。
美羽を、助けるから…
キミの過去を全て…
受け止めるよ…