Heaven
~8.秘められた過去~


もう直ぐで夜がやってくる。
空はもう、暗い。
梅雨の季節が訪れると訴えるように、湿った空気が俺の体を包み込む。

春との電話が終わり、
俺は足早と公園に向かう。
携帯の時計を見ると、
17時になる少し前だった。

もう美羽はいるだろうか?


公園に着き、辺りを見渡す。
この前、美羽と隣り合って座ったベンチに、美羽の姿があった。

空を見つめる美羽の姿を見て、心臓は飛び跳ねる。

俺は美羽に近付いていく。


『美羽…?』


『あ、雅…』


まだ慣れていないのか、美羽に名前を呼ばれると、自分のことではないように感じる。
俺は美羽の隣に座り、
どうしてここに呼んだのかを聞いた。


『どうした?なんかあった?』


『…雅はどうしてそんなにもあたしに優しいの?』


真剣な顔を向けて美羽は言う。
顔が熱い…
でも大丈夫だ…。
辺りは暗くて、街灯では分からないだろうから。


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