Heaven
『美羽…』
『あたし分からないの…どうして陸は最後にあたしの名前を呼んだのか…どうして最後に笑ったのか─…分からないの…』
ポタポタと美羽の涙が写真へと零れていく。
陸の顔に美羽の涙が落ちる。
まるで陸が泣いているように見えた。
『辛いなら、泣きな?俺がいるから…大丈夫』
『雅…あたしね、雅なら陸とのこと話せると思ったの…ねぇ、雅?あたしを受け止めてくれる…?』
答えなんか求めなくたって分かっているだろ?
俺は美羽のことが好きなんだから…
受け止めるに決まってるよ。
だから安心して…
俺の胸で泣いていいよ…
夕日が完全に沈んだ頃。辺りは先ほどより暗さを増している。
俺は震える美羽を支えていた…。
『受け止めるよ…美羽…』
美羽は俺の制服をぎゅっと握りしめ、潤った瞳で俺を見つめた。
『お願い─…傍にいて…』
傍にいるよ、美羽…。
頼りない腕かもしれないけど、ちゃんと支えるから…
全部、話して─…