Heaven


ヒーローを見て思い出す。
昨日の陸との出逢いを。陸もこのヒーローのパジャマを着ていた。
あたしはこの時、あまり気にも止めなかった。
この時は─…


少し時間が経ち、先生が紙芝居を読んでくれている最中、教室のドアが開いた。


『今日も遅刻してすいません』


ロングヘアーの巻き髪に、色白の女の人が申し訳なさそうに先生に挨拶をする。


『大丈夫ですよ。おはよう。席に座って?』


先生は一旦紙芝居を読むのをやめ、手招きをする。
女の人の隣からひょいっと現れたのは、髪の毛が茶色く、所々メッシュの入った男の子。
その子は欠伸をしながら、あたしの方に近付いてくる。


そしてあたしの隣に座った。
呆然とその子を見ていたら、その子があたしの視線に気づき、こちらを向く。


『…美羽?』


『へ??』



何であたしの名前を知っているの?
どこかで逢ったのだろうか?

でも覚えていない─…


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