Heaven
陸とは毎日のように一緒にいたし、毎日のように、あのベランダで喋ったりもしていた。
だから一緒にいることが当たり前のようになっていて…
離れていくことの寂しさなんて、あたしにはまだ分からなかった…。
…小学六年生。
この頃から、周りの女子は恋の話に華を咲かせていた時期だ。
でもあたしは興味がなかった。
陸以外の男子を見ても、なにも思ったりしないからだ。
陸を見ると苦しくなる…陸の笑顔を見ると、
あたしの心臓は壊れる。
だがあたしはまだ恋とは知らないのだ。
恋という字と意味は、辞書を引けば簡単に分かるが、難しいもの。
六年生の冬。
もうすぐ小学校を卒業するという時期。
あたしは初めての経験をする。
『ねぇ!やっぱ陸かっこいいよね!』
あたしはこの言葉に敏感に反応をする。
ちょうど今は休み時間。春と陸とは同じクラスで、あたしは春と喋っていた。