Heaven


でも陸は日に日にかっこよくなっていく。
あたしを置いて自分だけ成長していく…
陸は勉強も出来るし、
スポーツも出来る。
今夢中なサッカーをしている時の陸が一番かっこいい。

悔しいくらい、眩しい…

あたしは…
なにも成長していない。成長したといったら、
この髪の毛くらい。
陸は小さい頃、長い髪の人が好きだと言っていた。
だから伸ばしているのだ。
意味ないかもしれないけど…少しでもいいから、あたしを見てもらいたい…


ふとある事に気づく。
それは突然現れた、
このモヤモヤとした感情。
初めてだ、なんで?

陸を取られたくない…

グラウンドを眺める京子に向けて視線を送る。
そして次第に湧き上がる感情。


『負けない…』


負けない。
負けたくない。
陸のことを沢山知っているのはあたしだけ。

陸は譲らない─…絶対。

でもね?陸。
あたし素直じゃないから、言いたいことを素直に言ったことなかったよね…



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