Heaven
どうして人間ってこんなにも温かいのかな?
その温かさに触れると、いつも涙が出るの─…
チャイムが鳴り、春は自分の席へと戻っていく。グラウンドで遊んでいた陸たちが、額に汗を流しながら、教室に戻ってきた。
あたしは陸を見つめる。すると陸があたしに気がつき、こちらに向かってきた。
陸があたしに近づくにつれ、あたしの体は熱を帯びていく─…
『美羽!今日一緒に帰ろうな!』
『あ、…うん』
どうしてそんなに眩しいの?
空に浮かぶ太陽より、陸の笑顔の方が眩しいなんて反則だよ…
陸はこう言って、自分の席である、真ん中の一番前の席に座る。
嫌なことに、陸の隣はあの京子。
後ろから見ることしか出来ないあたしは、いつも苦しい思いをしている。
陸に話しかける京子。
それに笑顔に対応する陸。
この恋のゴールはどこ?
あたしにはまだ見えない。