Heaven
怖い、怖かった。
まさか京子があんな表情を見せるなんて…
知らなかった。
あたしの体は未だ硬直をしていて、手は小刻みに震えていた…
なんであたしは何も言えなかったのかな?
『あたしも負けない』って…どうして言えなかったのかな?
陸の気持ちが知りたいよ…
『美羽、お待たせ!帰ろー!!』
上機嫌な陸。
さっきのことなんか当然しるわけもないよね?
『そうだね、帰ろ!』
夕日が街から消えていく。
この日は雪が降っていなくて、いつもより暖かかった覚えがある。
この日、陸があたしに初めてあんなことを聞いてきたんだよね…
『美羽は好きなヤツとかいる…か?』
突然のことで、あたしの頭はこの雪化粧のように真っ白になる。
いるよ、好きな人。
それはあなただよ…
でもあたしは素直じゃなかった…
だからこの言葉を返した。
『いないよ。いるわけないじゃん』
この日、陸はどんな思いで聞いてきたの?
あたしは、
その答えを今でも求める。
でも、求める先は、
夜空に輝く星なんだ─…