Heaven
今日の掛け時計が、5時を示した。
そろそろ部活に行きたい。
こう思っていた時、
教室のドアが開いた。
そこにいたのは、緊張した様子の聡だ。
『遅いよ!あたし部活行きたいのに!話ってなに?』
聡は俯いて、なかなか話そうとしない。
あたしは聡に近づく。
『あ、あのさ…落ち着いて聞いて欲しいんだけど…』
『なによ?』
髪の毛の隙間から、
聡の綺麗な瞳が見える。聡はハーフらしい。
瞳が茶色くて、色が白い。
可愛いという言葉が似合うだろう。
『俺さ…俺…み、美羽のこと…』
静かな教室に、
秒針の音が響く─…
また、針が先に進んだ。
『だから、何?』
『美羽のこと、好きなんだ。美羽は俺のことどう思う?』
聡の言っている意味が理解出来なかった。
あたしのことを好きだって?
なぜ?どうして?
どこが好きなの?
あたしには─…
あたしの心の中にいるのは─…聡じゃない。