Heaven


静かな教室に、
あたしの小さな声が加わる。


『…ごめん…あたし…』

どう言っていいか分からなくて。
告白なんてされたことなどないし…
それに、あたしは陸が…

『…やっぱり、な。
美羽は陸が好きなんだろ?』


色素の薄い髪の毛を掻きながら、悲しそうな表情を浮かべて聡がこう言った。
戸惑いの隠せないあたし。


『…知ってる…の?』


『美羽見てれば分かるって。でもどうしても伝えたかった。伝えないとさ、次に進めない気がして…』


聡の純粋な気持ちがあたしに突き刺さっていく。

次に進めない─…


この言葉がいつまでも頭の中に残っていた。


『…聡…ありがとう…』

『余裕だって!!悪いな、呼び出したりして。
…頑張れよ?北村になんか負けんな』


聡は最後にこの言葉をあたしに残して、頭を撫でて教室から姿を消した。

あたしも聡のように勇気があったら…
今にも伝えたいのに…


お願いです…
あたしに勇気を下さい。


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