Heaven
大切な人に伝えたいのです…
どうか、どうか…
あたしに力を下さい…
でもあたしは最後まで臆病でした─…
『好き』というたった二文字が言えるときは来なかったの…
言えないまま、
あなたは姿を消したから…
もう暗い街。
あたしは聡と別れ、部活には行ったものの、集中なんて出来ずにいた。
聡の言葉が頭から離れない。
次に進めない気がして…
あたしの頭を支配していた言葉。
この言葉が支配していたせいで、得意なレシーブを何度かミスをした。
そして夜に近くなったころ、部活は終わり、秋の寒さを感じながら、あたしは家へと帰る。
道端の隅には、枯れ葉が何枚も落ちている。
あたしはそれを見て思うのだ。
『幸せだった?』と。
枯れ葉たちはどんな生活を送ってきたのだろうと、気になって仕方がないのだ。
風にあたって気持ち良かったに違いない。
そんな枯れ葉が羨ましく思う。