Heaven


あたしは勢いよく螺旋階段を上がっていき、自分の部屋を目指す。
部屋のドアを開けると、小さい頃から何も変わっていない部屋の光景が広がる。

ベッドの位置もそのまま。
ピンク色の壁も、クリーム色のカーテンも。


カバンを床に置いて、
あたしはマフラーを取る。
そしてハンガーに掛けてあった黒のダウンを制服の上から羽織り、ベランダに飛び出た。


隣を見ると、もうすでに陸の姿があった。
星空を見つめる陸の横顔を見ると、緊張しだして言葉が詰まってしまう。

知ってる?
星座はね、夏より冬の方が綺麗に見えるって…。

あなたが教えてくれたよね?
覚えている?



『美羽…』


『ご…ごめんね!!待ったよね!』



陸はあたしの方を見つめ、変わらないあの眩しいえがを見せる。
そして『全然待ってないよ』と言って、くしゃみをした。


久しぶりに見る陸の笑顔。
やっぱり、あたしはこの笑顔が大好きです…



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