Heaven
でもどうして恋は自分の描いた恋のように上手くいかないのかな?
あたしは不思議で仕方がないよ。
『…久しぶりだね?こうやって話すの…』
あたしは冷たくなった手にはぁーっと息を吐きかけて、空を見上げる。
静かな街に音はなくて、唯一聞こえるのは、あたしの心臓の高鳴りくらいだ。
陸には聞こえるかな?
『そうだね。部活とかで忙しいもんなぁ…』
ふと陸を見ると、
陸は悲しそうな表情を浮かべていた。
なにか、悩み事でもあるのだろうか?
陸がこんな表情を見せるなんて珍しい。
『なにか…あった?陸、いつもと違うね…』
陸の変化くらい分かるよ。
何年一緒にいると思っているの?
『あ…別になにもないけどさ…美羽…今日聡に告白された?』
思わぬ陸からの言葉に、あたしは戸惑ってしまう。
陸には知られたくなかった…。