Heaven
だからこんなことを言ったのでしょう?
『関係ないと思うけどな…早いとか遅いとか…。好きなら付き合うべきなんじゃない?時間が勿体無いと思うし』
白い息を吐きながら、
陸は言葉を並べていく。陸の言っていることは正しい。
間違っていないと思う。
でも…あたしの気持ちはあたしだけのもの。
あたしの気持ちは、
陸に向かっているの─…
『そう…だね。もしあたしが聡と付き合ったら、陸はどうする?』
また、無神経なことを言ってしまうあたし。
何を望んでいるのかな?
陸に何て言って欲しいのだろう?
『お前のことが好きだ』『聡のとこなんて行くなよ』
あたしはこの言葉を望んでいるのかな?
でも陸はあたしが望んでいる言葉を言ってくれなかったね…。
半月の月が雲に隠れてしまって…あたしが進む道を遮断されてしまう。
陸はこの時どんな気持ちでこの言葉を言ったの?
ゆっくりとあたしに視線を向けて…
小さく微笑んで…。
『祝福するに決まってるじゃん。美羽は大切な幼なじみだから』