Heaven
『いるよ…でも気づいてくれないんだ。一方通行っていうのかな…俺の気持ち気づいてないみたいだしね』
小さく笑う陸。
あたしはそんな陸を見ることが出来ないでいた。
苦しくて。
悲しくて。
あたしの恋は叶わない、と言われてしまったからだ。
陸には好きな人がいる。あたしではないはずだ。
だってさっき言ったから。
確かに、幼なじみ、だと。
陸はあたしを想ってはくれていない…
残酷だよ…
お願い、あたしを見てよ。
でもどうしてあたしは強がってしまったのかな?
こんなこと思っていないのに、口から零れて落ちてしまったの─…
『あたし、応援するよ!陸の恋。上手くいったら教えてね?』
『…美羽は好きな人いないんだよな?』
これ以上なにも言わないで─…
涙が零れ落ちるから。
泣くときは一人で泣きたい。
陸の前では笑顔でいたい。
あたしの精一杯の強がり。