Heaven
嫌だよ、そんなの…
怖いよ、助けてよ…
…ねぇ、陸?
あなたは忘れようとしたことある?
…陸とあたしの心は離れていく。
あたしはそう感づいたのは、冬が過ぎ、春が過ぎ、二年生の夏が間近迫ってきていた頃だった。
あれ以来、陸とベランダで話すことはなかった。お互い勉強と部活が忙しくなり、暇さえなくなってしまったからだ。
それにきっと新しいクラスも原因なのだろう。
あたしは春と同じクラスだった。
そして聡とも同じ。
告白されて以来、気まずい関係が少しだけ続いたが、あたしが嫌になり、話しかけ今まで通りになった。
陸とはまた違うクラス。京子は陸と同じ。
神様はとことんあたしに意地悪なのだろう。
夏がやってくる、暑い日。
蝉の声にうんざりしているあたしの所に、息を切らした春が走ってきた。
春の表情が、とても焦っていて、あたしは戸惑いを隠せない。