Heaven


『俺、こういうの弱いみたいなんだ』


昔っからそう。
俺は街中で配っているポケットティッシュとかは必ず貰ってしまう人なんだ。
差し出されたら貰う、という癖がついているのか。
断ることが出来ない、というか。
頑張って配っているのだから、貰わなければ悪い、というか。

この癖はずっと治らないのかもしれない。


『まぁいいけどさ。クラス同じだといいな?』


『そうだな!』


俺達は大きく張り出されたクラス発表の掲示板の場所まで歩いて行った。
どうかヒカルと同じクラスになりますように、と。
それから、どうか美加とは同じクラスになりませんように、と願って俺は一歩一歩、歩いていく。

だけど神様はひとつしか叶えてはくれなかった。


沢山の人だかりの掲示板。
俺とヒカルはその光景に愕然とする。


『めんどくせー』


『人多すぎだろ…』


はぁ…と溜め息をついて、俺は気分を紛らわそうと空を見上げた。





そんな時──…


俺はキミと出逢ったんだ──…



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