Heaven
『いいのかよ?美羽の気持ちはそんなものだったんだな。もっとちゃんとしてるかと思ったよ』
春の言葉が耳に入ってくる。
あたしは肩を震わせ、滴り落ちる涙を手で抑えていた。
まだあたしは弱い。
弱すぎる─…
これと同時に気がついたこと。
それはまだ陸が好きだということ…
愛しい。
愛しすぎる…。
戻ってきて…
あたしの隣で笑って…
もう一度…
あたしの隣で笑ってよ…
片思いが辛すぎる、と
あたしは逃げてばかりでした。
燃え上がる熱い太陽のように、あたしの情熱もこうだったら、あたしは迷わず陸だけを照らすだろう。
でもあたしは太陽のように器用じゃないし、強くもない。
みんなを平等に照らすことなんて出来ない…
あなただけ、だと思ってしまう…
あたしは失恋したのだ。
負けたくなかった人間に負けたのだ…
責めるのは陸でもなく、京子でもなく…
自分自身だ。