Heaven


気付いてた?
あたしの視線。
夕日を見つめるフリをして、あなたを見つめていたの…

あなたまでの距離は、
こんなにも近いのに…
心は遠い…

そんな現実が嫌で、嫌で…あたしは涙を流す。



夏の空に、涙を零す…。


『美羽、明日の夏祭りどうする?』


突然、窓から外を眺める春が、あたしにこう聞いてきた。
あたしは鏡を見て、
長い髪の毛を2つに結う。


『ん?特に何もないかな』


そう、今日は終了式。
明日から夏休みなのだ。そして明日、地元で毎年行われる夏祭りが開催される。
毎年、あたしは春と行っていたが、今年は春が部活の試合で行けないのだ。
春はキャプテンに抜擢をされ、忙しいみたい。



『じゃあ俺と行こうよ!』


すると隣から誰かの声が聞こえてきた。
あたしは横を見る。
そこには満面の笑みを浮かべた、聡がいた。



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