Heaven
体中を熱が走る…
あなたがおかしくさせるのよ…
『…ど、どうしたの?』
目を丸くさせて、
陸の顔を覗く。
陸は下を向いて、なにも話そうとしない。
沈黙の空気が流れる…
生温い風と一緒に…
『あ、あのさ…明日の夏祭りって…』
『夏祭り?それが?』
『誰かと行くの?』
どうしてこんな事を聞いてきたのか、分からない。
どうせ《幼なじみ》というだけなのだろう。
それ以上は何もないのでしょう?
別に隠さなくてもいいよね?
聡とは友達なんだし…
『あたしは聡と行くよ!陸は?』
あたしがこう言うと、腕を掴む陸の力が徐々に弱くなっていく。
そしてゆっくりと顔を上げて、悲しい表情を浮かべた。
また、この表情。
見るのは二回目だ。
あなたは何を思っているの─…?
隠さないで、教えてよ。
だがあたしは臆病な上に、意地っ張りで…
自分の気持ちを押し殺した。
『俺…』
『あ!京子と行くんでしょ??』