Heaven
やっぱりあたし最低だよね?
…ごめん、でも止まらない…。
自分の部屋に行くと真っ暗で、すぐに電気を点けた。
一気に明るくなる部屋。あたしはベッドにどさっと倒れ込み、目を閉じた。
せっかく部屋を明るくしたのに目を閉じてしまったら意味のないことだ。
体を丸めて、唇を噛み締める。
噛み切れそうなくらい、強い力で─…。
これは悔しさの表れ。
そして辛さの表れでもある。
今頃陸は何をしているのかな?
京子と電話だろうか?
あの甘い声で京子の名前をまた呼んでいるの?
聞きたくないよ。
聞きたくないよ。
嫉妬があたしをおかしくさせる。
あたしの名前が、京子だったら良かったのに…
あたしは耳を両手で抑えて、静かに泣いた。
泣くほどあたしは陸が好きなのだ…
でも遠い。
遠すぎるよ─…
もっと近くにきてよ…
あたしを包み込んで。
あたしの耳元で、
優しく囁いて…。