Heaven
聡の腕がしっかりとあたしの体を包み込む。
暑さなんてなかった。
人肌が落ち着いて…
あたしは聡の服を握って、声を出して泣いた。
我慢していたものを、
全て吐き出すように…
泣き喚いた。
『美羽…俺が忘れさせてやるから…陸のこと…忘れさせるから…』
聡の一つ、一つの言葉があたしの胸に突き刺さっていく。
甘えてもいいの?
答えはどこ─…?
『…聡…』
『だから…俺のとこに来てよ…俺は美羽のこと泣かせないから…大事にする…』
…誰かあたしに光をください。
ずっと消えることのない光を…
答えは…あたしの胸の中にある。
光は…自分で掴むもの。
あたしの本当の気持ちは…
素直な気持ちは…
『…ごめん…聡…』
あたしはゆっくりと聡を離した。
震える手を、握りしめる手を…
温もりから、
ゆっくりと─…
あたしの光は聡じゃない。
ごめんね─…