Heaven


聡が悪いんじゃない。
あたしが意地っ張りで、弱いからダメなの。

変わりたい…
こんな自分…大嫌い…


『じゃあ…約束してくれないか?』


聡はあたしの両肩を掴み、真剣な眼差しであたしを見つめる。

真っ直ぐで、聡の瞳にはあたしが映っている。


『うん…』


『逃げないって約束して。陸だけを見るって。逃げずに陸だけを見るって』



聡はあたしの背中まで押してくれるのね…

本当に優しい人。
こんなあたしの背中を押してくれて─…


あたしは幸せものだと思う。


『…約束する…あたし逃げない!!』


涙を指で祓い、堅く誓うあたし。
そんなあたしを見た聡は、いつもと変わらない笑顔を見せて、あたしの手を引っ張り、立ち上がらせた。

そしてあたしの背中を強く押す。

一歩、前に進むあたし…



『進め!美羽…進むんだ…前に!!』



進め…進むんだ…


あたしはあなたのもとに…


進むんだ…


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