Heaven


キミが言った言葉に俺は、ひどくなにかに怯えたようになった。
まさか、そんなことを言うなんて。

キミはこの世界が嫌いだから、空を見上げるの?いなくなりたいから…
キミは鳥のように両手を翼にしてどこかにいきたいの?


春の心地のよい春風がふうっと俺達を包み込む。
二人の間は沈黙の時間だけが過ぎていく。
遠くの方では、生徒たちの楽しそうな笑い声が聞こえてくる。


俺はキミと話がしたくて、閉じていた口を開けた。


『なんで…嫌いなの?この世界が』


何でこんなことを聞いてしまったのだろう?
初めて逢った人に理由なんて話せるはずなどないのに。

俺は自分の言った言葉に後悔をしていた時、キミが答えをくれた。


『こんな世界にいたって、なにも楽しくないからよ』


静かにこう言ったキミの声は、少しだけ震えていて、悪いことを聞いたと、俺はまた後悔を重ねる。


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