Heaven


求める人は見つかっているのに、近くにいるのに…なぜかな?

うまく出来なくて、
苦しくて。


これが恋愛なのかな…


『京子は別にいいんだよ。ただ頼まれただけだし…それに俺は美羽のが心配だから』


嬉しい言葉が、あたしの心を溶かしていく。
陸は優しい…
いつもあたしを助けてくれるよね…


でもね?
喜んでいいのかなって思ってしまう…。

その言葉の意味は、ただの幼なじみだからでしょう?


『…京子が心配しちゃうから…早く行って…心配しなくていいから…』


あたしは偽りの気持ちを並べていく。
そして陸の腕を掴み、自分から離した。
あたしの行動を悲しい表情で見つめる陸。


そんな表情見せないで…


『…鈍感なのは…美羽の方じゃないの?』



静かに、あたしの胸に突き刺さる言葉。


次第に涙が込み上げてくる。

陸の何気ない言葉が、
あたしの心に深く傷をつけた。



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