Heaven


雪はなかなか降りそうにもない。

そんな街をあたしは散歩をしたくなった。
もうすぐ夜がやってくるという時間、ダウンを羽織り、家を飛び出す。


誰もいない道を歩く。
まるで世界にはあたししかいないように思わせる。

息を漏らせば、
白い息が空に上っていく。
耳や手が寒くなり始めるが、あたしは空を眺めたかった。


キラキラと輝く…夜空を。


イルミネーションで飾られた家や、笑い声が溢れる家を通りながら、あたしが行き着いた場所。
それは公園だ。


小さい頃、陸や春と毎日のように遊んでいた公園。


忘れるはずがない。
ここは思い出の場所だから。

当たり前のように、公園には誰もいない…と思っていた。


でもあたしは見たのだ。
見間違えるはずがない。

クリスマスイブに、
あなたと再開をした─…

これは誰からのプレゼント?

サンタクロース?




…運命を少しだけ信じてみたくなりました…。



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