Heaven


体の左側だけ熱い。
その原因は陸が隣にいるということ。


『…なんで陸がここに?』


『ん?なんか久しぶりに来たくなってさ。美羽は?』



『あたしも…来たくなったの』


会えたことでも十分なのに、同じ理由ということで更に嬉しさは増す。

夜空を見上げる陸に、
あたしは謝りの言葉を漏らした。



『夏祭りのとき…ごめんね…あたし…』



『いつの話だよ!もういいって!!』


陸はくしゃっと笑い、
あたしの頭を撫でた。

陸の手があたしの頭に触れる。


もう…止められそうになかった…。



『…陸…あのね?』


『俺の好きな人ってさ…すげぇ鈍感でさ…』



気持ちを言おうとしたとき、陸が言葉を並べていったため、途中まで出かけた言葉は風と共に去っていった。


『え…?』


夜空を見上げたまま、
陸は自分の好きな人の話をしていく…。



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