Heaven
~11.星になった彼~
幸せ─…。
陸に抱きしめられて、そう感じたの。
この腕を離さない。
離したくないって…
月明かりの照らす公園で、お互いの愛の深さを実感したあたしたちは、しばらくこのままだった。
温もりを、感じていたかったのだ。
クリスマスという最高の日に、あたしは陸と結ばれた。
そして約束をしたことがひとつ。
陸と一緒にいるときは、泣かない。
笑うと…
『…美羽…幸せにするから…』
陸がそんな優しいことばかり言うから泣けてきちゃうんだよ?
あたしはぐっと泣くのを堪えて、小さく頷いた。
『うん…幸せにして…』
こう言うと、陸はあたしを離して、真っ直ぐ見つめた。
そして顔を斜めに傾けて─…
近づく陸の顔。
次第にあたしの瞳は閉じていく。
誰もいない静かな公園で、あたしたちは…キスをした。
初めて触れた陸の唇は、冷たくて、柔らかかった。
初めてのキスは…
陸でした…。