Heaven
あたしの精一杯のワガママを、陸は受け止めてくれる?
陸は耳元で小さく囁いてくれた。
『…ずっと一緒だよ…』
ずっと…一緒。
あたしはこの言葉を信じていた。
信じていたのに…
あなたは
あたしの隣には…
もう─…いない…。
公園の中心に立っている時計台の針が、夜の8時を過ぎた。
その頃、あたしたちはまだ降り続ける雪と、鮮やかな星を見ていた。
『俺さ、夏の星空より冬のが好きなんだよね』
『なんで?』
『だってさ、冬の方が星座が綺麗に見える気がするんだ』
確かにそうだ。
あたしも陸に言われて気付く。
夏の星座も、もちろん綺麗だが、冬の方が更に綺麗に見えるのだ。
理由は知らない。
鮮やかに輝くオリオン座が、あたしの瞳を占領する。
…陸は、どの星に生まれ変わったのかな…?
これだけの数の星から陸の星を見つけるのは、
とても難しいよ─…