Heaven
きっと頭から血が出ているのだろう。
陸の後ろの髪に血がべっとりとついていたから。
『陸…ほら…起きて…今日はあたしの誕生日だよ?陸…お祝いしてくれるんでしょ…起きてよ!!』
神様、あなたは残酷すぎます。
お願い…
陸を連れていかないで…
愛してるんです。
この人を世界で一番愛してるんです…。
だから…連れていかないで。
『…み…う…』
するとその時、陸はうっすらと目を開けて、手をのばし、あたしの頬に触れた。
『り…く…』
止まることない涙。
止まることない陸の血。
初めて触る人の血は、
生温かく、少しどろっとしていた。
『美羽…約束…しただろ?俺一緒にいるときは…笑うって…』
霞む息。
陸の命はあとどれくらい…?
連れていかないで…
あたしの傍にいてよ…
お願い…
お願いします…
陸…を─…
助けてよ…