Heaven


聞いても返事は当然のようにない。

最後の最後まで…
陸の声は優しかった。


愛しいってまた思ったよ。
また愛が芽生えたよ。


あたしは信じない。
陸がいなくなったなんて。


すると、突然誰かに肩を叩かれた。
あたしは涙でぐしゃぐしゃになった顔を向ける。そこには医師の姿があった。

白い白衣が、ワンピースを思い出させて恐怖を覚える。


『これ、陸くんの衣服の中に入っていたんだ。きっと君へのプレゼントだと思うよ』


こう言って、医師はあたしの手にそれを持たせた。
それは一つの紙袋。
ピンク色の可愛らしい袋だ。


あたしは袋の中を見てみる。
袋の中には長細いラッピングされた箱が入っていた。


リボンを解き、中を開けてみる。
そこにはカードと…
ペアネックレスが入っていた。


ペアネックレスは2つで1つのハートになるというもの。
ネックレスに刻まれた…2人の名前。

『riku』
『Miu』


そしてカードを開けると…陸の繊細な字で…




《美羽、お誕生日おめでとう!
愛してるよ… 陸》




陸…
あたしは世界一幸せな彼女です─…。



< 344 / 424 >

この作品をシェア

pagetop