Heaven


初めて美羽と会ったとき、『なんて気の強い女の子だろう』と思った。
だけどそれは鎧をかけた、偽りの姿で、本当はこんなにも弱くて、泣き虫な女の子だったんだね…

だから惹かれる部分があったんだよ─…



『美羽は陸の最後を見ることが出来なくてさ?後悔はなかった?』



『後悔?あたしは違うことに後悔してる…。陸を死なせたくなかったよ…これが…あたしの後悔…』



陸はもういないけれど、聞きたいことがある。

それは、

『陸は後悔している?』


美羽と出逢って、
美羽と恋をして、
美羽の前で永遠に眠って…

陸は後悔を、していますか?


顔を空に向かって上げる。
満天な星空。

陸はきっと…
星になれたにちがいない。


こんなにも輝いているのだから…。


美羽の瞳を輝かせたい、と言っているかのように…
月より眩しく光る星は、陸が輝かせているのだろう…



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