Heaven
静かな空気が…
俺たちを包んでいく…
俺は制服の袖で涙を拭いた。
そして美羽の小顔を手で包み込み、袖で涙を拭いてあげる。
拭いても拭いても流れ落ちてくる涙。
俺はつい笑ってしまった。
『お前、泣きすぎ。泣くな!陸と約束したんだろ?陸と一緒にいるときは笑うって!!約束したんだろ?だったら泣くんじゃねぇって』
『で…も…雅は…陸じゃないよぉ…』
美羽の言葉に俺の心は揺れる。
気持ちよさそうに揺れるブランコのように…
でもこの揺れは嫌ではない。
気持ちがいいから…
ずっと揺れていてもいいと思うんだ…。
『陸の代わりでもいいから…俺…美羽の隣にいたいんだ…ずっと…』
キミを守りたいんだ。
キミを愛したいんだ。
ずっと、キミの隣で…
気持ち良く、ブランコを漕ぐように…
大きく揺れていたいんだ…
だから、美羽は安心して、俺の隣で高く…高く、
陸に見えるくらい高くまで…
ブランコを漕いだらいいから…。