Heaven


静かな空気が…
俺たちを包んでいく…


俺は制服の袖で涙を拭いた。
そして美羽の小顔を手で包み込み、袖で涙を拭いてあげる。
拭いても拭いても流れ落ちてくる涙。

俺はつい笑ってしまった。


『お前、泣きすぎ。泣くな!陸と約束したんだろ?陸と一緒にいるときは笑うって!!約束したんだろ?だったら泣くんじゃねぇって』



『で…も…雅は…陸じゃないよぉ…』



美羽の言葉に俺の心は揺れる。
気持ちよさそうに揺れるブランコのように…
でもこの揺れは嫌ではない。
気持ちがいいから…
ずっと揺れていてもいいと思うんだ…。




『陸の代わりでもいいから…俺…美羽の隣にいたいんだ…ずっと…』



キミを守りたいんだ。
キミを愛したいんだ。


ずっと、キミの隣で…
気持ち良く、ブランコを漕ぐように…
大きく揺れていたいんだ…


だから、美羽は安心して、俺の隣で高く…高く、

陸に見えるくらい高くまで…


ブランコを漕いだらいいから…。



< 352 / 424 >

この作品をシェア

pagetop