Heaven
美羽なら出来るよね?
キミが目指している場所は…遥か彼方にある世界だから─…
『雅…あたしまだ…陸のこと…』
『知ってるよ?だからゆっくりでいいよ。でも泣くな。陸との約束は、俺のときも同じ。笑って…』
俺はもう一度美羽を抱きしめた。
ぎゅっと…きつく。
どこにもいけないくらい、堅く、強く。
『苦しいよ…』
喚いてよ。
苦しがってよ。
美羽が泣くのをやめない限り、俺は離さないよ?
美羽が笑うまで、
逃がさないんだから…。
美羽の頭を撫でながら、耳元に囁いていく。
この星空を見たときに、ふと思ったことがあるのだ。
『陸はすげぇよ…星になってさ、美羽の瞳だけじゃなくって、世界中の人の瞳を輝かせているんだからさ…。俺の瞳が輝いているのは…陸のおかげなんだな…』
陸、お前は羨ましいくらい凄い人だ。
この夜空を見上げている人の瞳を輝かせることが出来るんだからさ…
お前は、凄いよ…。