Heaven


京子はあれから姿を消したらしい。
だからずっと会ってないようだ。


そう話した美羽の瞳が悲しい瞳になっている。



『美羽!再来週は美羽の誕生日なんだから!俺、祝うし!その日に…ちゃんと陸とお別れしよう。俺がいるから大丈夫だよ』


再来週の土曜日、その日は美羽の誕生日だ。
俺は美羽が生まれてきた日に、陸がいなくなった日に、なにかを残したい。

こう思っていた…。


『そうだね、その日までに…自分の中を整理するわ』


再び空を見上げる美羽。まるで陸に問い掛けているように…。
俺もつられて空を見る。

夜空に散らばった星たちは、嬉しそうにきらっと輝く。


でも…俺はどこかで不安だったんだ。
陸を超えれるか、とかそんな不安じゃなくて…

美羽を心から幸せに出来るのかな?という不安。

不安にならないはずがない。
美羽は辛い過去を背負っていて…口ではなんとでも言えるけれど、行動に移すことは出来るのかなって…。



だが、この不安を溶かしてくれたのは…あなたでした。



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