Heaven
人間は、ひとりぼっちじゃないんだ。
いつも当たり前のように支えてくれる一人がいて、俺たちはその当たり前に慣れてしまっている。
本当に一人になったとき、周りにいた当たり前の存在の大切さが分かるはずだ。
俺は分かるよ…。
ヒカル、いつも隣にいてくれてありがとう。
ベッドに腰を下ろし、
フローリングの床の木目を見つめる。
その木目は渦のようで、巻き込まれそうで怖かった。
『俺…不安なんだよ。好きな人を本当に愛せるのかなって…』
『それって高木美羽のことか?』
今更隠す必要もないと思い、俺は首を縦に振った。
ヒカルはあぐらをかき、近くに落ちていたクッションを抱えている。
『美羽はさ…辛い過去を背負っていて…今日その過去を聞いたんだ。なんか…思っていた以上に辛くて…その過去を聞いたらさ…自信がなくなって…』
そう、俺は不安とともに、自信をなくしていたのだ。