Heaven


ヒカルは機嫌が直ったのか、いつものように笑う。
俺はローファーを手に持ち、ヒカルに下駄箱を案内してもらった。


『そういえば、クラスはどうだった?』


『雅と俺は同じクラスだった。1年2組だってさ』


下駄箱におろしたてのローファーを入れて、鞄からスリッパを出し、それを履く。

良かった、ヒカルと同じクラスで。
ヒカルがいれば安心だ。

校舎は静かで、みんなは今頃教室にいるのだとすぐに察知をした。

俺とヒカルも新しいクラスへと足を運ぶ。


『…あのさ?美加は?』

一年生のクラスがずらり並ぶ廊下を俺たちは歩いていく。
この廊下を真っ直ぐ行くと教室があるらしい。
廊下には楽しそうに話をする生徒たちで目立っていた。


『美加…は…生憎同じクラス』


こう小さな声で言ったヒカル。

気を使わせたかもしれない。
ごめんな?


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